造形の日、今日のリーダーは美術家の大小島真木さんです。
今月のテーマは「時間」ですが、真木さんは自宅の庭でとれたというみかんをたくさん持ってきてくれました。今日は柑橘の液とロウソクを使って「あぶり出し」をするといいます。
たしかに、あぶり出しは紙に直接絵の具で描く絵と違って、時間を感じるものになりそう!
でもいったい何を描くの?
さいしょに、真木さんはみんなに二冊の本を見せてくれました。
バージニア・リー・バートン『せいめいのれきし』
チャールズ&レイ・イームズ『POWERS OF TEN』
バートンの本には、宇宙誕生から現在までの、途方もなく長い長い宇宙のれきしが、舞台仕立てで描かれています。1ページずつ真木さんが読んでくれました。みんな興味深々。
デザイナーであるイームズ夫妻による本は、もとは映像作品だったものをぱらぱら漫画のようにした写真本で、銀河の写真から太陽系→地球→国→芝生に横たわる人→その人の皮膚→内臓→細胞→染色体・・・と、巨大な宇宙から人体というミクロの宇宙までを段階的に見せてくれる面白い本です。
「一気にいくよ~!みんなよく見ててね!」と真木さん。
みんなの目の前でページをぱらぱらと高速でめくっていくと、まるで自分が不思議なカメラになったかのように映像が展開していきます。はるか天空から人の細胞の中までを旅をした気分!
バートンの本は永遠のように長い時間の広がりを、イームズの写真は目でとらえられないほどの空間の広がりを、みんなに垣間見せてくれました。
さて、二つの本を読み終わったところで今日のテーマを発表。
みんなが生まれるよりずうーーーっと昔のことを絵に描いてみよう。
あるいは、これからずうーーーっと未来のことを想像して絵に描いてみよう。
みかんの汁と絵筆を使って!
ひとりひとりが好きな時代を選び、絵を描くことに。「未来の人たちに宛てた手紙を書きたい」という子は文字を書くことに。絵筆にみかんの汁につけて、みんな夢中で絵を描きます。そしてしばらく乾燥させます。

待っている間に、残ったみかんの汁は飲んじゃおう!ということで、無農薬のすっぱくておいしいみかん汁を飲むこどもたち。『すごくすっぱい!けどおいしい!』
日が暮れた頃、紙の上のみかんの絵の具が乾燥しました。
待ちに待ったあぶり出しです。
「マッチを使うのは初めて」という子ばかり。せっかくなのでマッチの取り扱いも学んでみる。火遊びじゃないよ~!でも楽しいなぁ~
寺子屋ではこういった準備の中で、道具の取り扱い(例えばカッターで色鉛筆を削ることにチャレンジしたり、マッチで火をつけてみたり、、、)も「やってみたい!」という子には体験してもらいます。
みんな上手にマッチを擦ることができました。
さあ、ろうそくに火をともします。

一見真っ白に見える紙を火であぶっていきます!紙が燃えないようにくるくると火の上で動かすんだよー。真木さんがお手本を見せてくれます。風が強いせいか、なかなか出てこないなぁ。時間が刻々と過ぎていきます。

根気よくやっていると、じわり、じわりと部分的に絵や文字が浮かびあがってきました。あー!でもうまくやらないとこげちゃう。なかなか難しい。。
試行錯誤しつつ、絵が浮かび上がるまでの時間を感じながら、なんとかあぶり出しに成功!ブラックホール誕生、太陽が生まれた頃、恐竜時代、人間が登場する頃、そして未来が浮かび上がりました。


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